はじめに
夢のマイホームを手に入れるために、多くの人が利用する住宅ローン。
しかし、ローンを組むときに必ず直面するのが「金利タイプの選択」です。
「変動金利が今は安いけど、後で上がったらどうしよう…」「固定金利は安心だけど、最初から高めで損しない?」
この記事では、変動金利と固定金利、それぞれの特徴や選び方のポイント、後悔しないための考え方まで徹底解説します。
そもそも住宅ローンの「変動金利」と「固定金利」とは?
変動金利とは?
- 市場金利に応じて、定期的(多くは半年ごと)に金利が見直される仕組みのローンです。
- 最初の金利が非常に低く設定されていることが多く、初期の返済額を抑えやすいのが特徴です。
固定金利とは?
- 契約時に決まった金利が、一定期間(例:全期間固定・10年固定など)変わらないローンです。
- 市場金利が上昇しても、返済額が変わらないため、計画的に返済したい人に人気です。
変動金利のメリット・デメリット
メリット
- 金利が低く、返済負担を抑えやすい
変動金利は固定金利よりも設定が低い場合が多く、毎月の返済額を小さくできます。 - 繰り上げ返済を活用しやすい
返済負担が軽いため、余裕があれば繰り上げ返済して元本を減らしやすいです。 - 金利が下がれば支払い総額も減る
今後市場金利が下がれば、返済額も下がるというメリットがあります。
デメリット
- 金利上昇のリスクがある
金利が上がると返済額も増えるため、家計への影響が大きくなります。 - 将来の返済計画が立てにくい
30年、35年と長期間のローンの場合、返済総額の見通しが立てづらく、不安を感じやすいです。 - 「5年ルール・125%ルール」には注意
急激な金利上昇時には返済額の上昇に上限が設けられる一方、元本がなかなか減らず「未払利息」が発生する場合もあります。
固定金利のメリット・デメリット
メリット
- 返済額が変わらない安心感
契約時に決まった返済額が最後まで続くため、家計の計画が立てやすいです。 - 将来の金利上昇を気にしなくてよい
「金利が上がったらどうしよう」という心配が不要。安定志向の方や家計管理を重視する家庭に向いています。 - 長期間の安心感が魅力
特に全期間固定型なら、金利変動によるストレスから完全に解放されます。
デメリット
- 金利が高めに設定されている
変動金利よりも金利が高いため、毎月の返済額も大きくなります。 - 市場金利が下がっても返済額は変わらない
景気や経済情勢で金利が下がっても、自分の返済額には反映されません。 - 途中で金利タイプの変更ができない場合が多い
借り換えや再契約には手数料・手間がかかります。
比較表:変動金利 vs 固定金利
項目 | 変動金利 | 固定金利 |
---|---|---|
初期の金利 | 低い | 高い |
返済額の安定性 | 低い(変動する) | 高い(ずっと同じ) |
金利上昇時のリスク | 高い | 低い |
金利下降時のメリット | 受けられる | 受けられない |
家計の見通し | 立てにくい | 立てやすい |
向いている人 | 短期間で返済したい/リスクを取れる人 | 長期安定志向/計画重視の人 |
どちらを選ぶ?タイプ別おすすめ
変動金利が向いている人
- 住宅ローンを10年以内に繰り上げ返済する予定がある
- 金利上昇リスクを受け入れても、今の生活負担を減らしたい
- 将来の収入増や資産運用に自信がある
固定金利が向いている人
- 子育て世帯や家計の計画性を重視したい
- 収入や支出が大きく変わる予定がない
- 金利の上下に振り回されたくない、安心して暮らしたい
最近の金利動向と利用者の声
近年、日本の政策金利は長らく低水準を維持していますが、2024年以降は少しずつ上昇傾向が見え始めています。
特に30年以上の長期ローンでは、「今のうちに固定金利で安全策を取りたい」と考える人も増えています。
一方、「まだしばらくは大きな上昇はなさそう」と判断して変動金利を選ぶ方も多いです。
体験談1:変動金利派のAさん
「月々の返済が安くなった分、繰り上げ返済をどんどん進めています。今のところ金利上昇もなく、家計にも余裕ができました。」
体験談2:固定金利派のBさん
「最初は返済額が高く感じましたが、将来の金利リスクを考えると安心です。家計管理もしやすく、精神的にもラクです。」
まとめ:大切なのは「家計と人生設計のバランス」
住宅ローンは「安さ」だけでなく、家族の安心や将来の計画も含めて選ぶのが正解です。
どちらにも一長一短があり、正解は人それぞれ。
無理のない返済計画を立て、金利の仕組みやリスクをよく理解して選びましょう。
「自分たちにはどちらが合っているか?」ぜひ家族で話し合い、じっくり比較してみてください。